断節してみよう

 

少し前に「なんとなく音楽を聞くのを、なんとなくやめてみよう」と思い立ちました。

それからというものの、地下鉄や人ごみで音楽を聞くのはやめて、なるべくしっかり聴きたいときだけ聞くようになりました。でも今日ふと思ったのですが、本質的にぼくは(もしくはぼくの世代は)ある時から、なんとなく音楽を聞いてきた気がします。

 

中学生頃からiPodやMP3プレイヤーが登場しました。それによってレンタルショップや親からCDを借りて、とても安く、簡単に、大量の音楽を自分のものにできるようになりました。そうして聴ききれないほどの音源を確保しました。

そのうちに、ネット上のそこいら中に音源が散らばり、聴きたい放題やりたい放題な状態になりました。その辺りから、アルバム単位で聞くことが減り、好きな曲だけまとめて聞く人も増えました。皆が皆、耳にイヤホンを突っ込んで、とりあえず何かを聞いているようになりました。ただ会話に音楽の話題が登ることは少なく、「とりあえず聞いている」というような状況が生まれたと思います。

そうこうするうちに音楽配信サービスが登場し、タダみたいな値段でほとんどどんなジャンルでも聴き放題になりました。サービス自身があれやこれやとオススメしてきて、みんなが聞いているプレイリストは全てシェアされています。

 

でも実際に今、ぼくの中に強く残っている音楽はわざわざレコードやCDからMDに焼いて、MDウォークマンや安いコンポで聞いた音楽だけです。もちろん年代の問題もあるとは思います。とはいえ、やっぱり最近は音楽がまるで水道水のようになってると感じます。

ぼくとしてはそんな風に聞くのなら、いっそ音楽なんて聞かないで、周りの音にでも耳を澄ました方がいいんじゃないじゃないかと、ふと思いました。昔よく聞いたものばかり聞くのもなんだかなという気もしますし。そうすることで、もしかしたら他のことにもっと興味を持つようになるかもしれないし、そうでないかもしれない。

もしくは改めて強烈に音楽を聴きたくなるかもしれない。そうしたら、その時から新しく自分の音楽ライフを構築すればいい。そう考えました。

 

最近はただただコンテンツを底なしに詰まったサービスが流行っていますが、あれらは大きく見落としてるものが沢山ある気がします。それがなんなのかは、まだよくわかりませんが。そのうち(もうあるのかもしれませんが)電子書籍が読み放題なんてものも出てきそうです。

とはいえそれらも、ある程度自分で規制し、ルールを作れる人であれば、うまく楽しめるのかもしれません。ぼくはそうではないので、うまく使いこなすことができませんでした。

 

なので、というわけで、これからはここの場での音楽紹介は本日をもって一旦終了することになります。引き続き更新はしていきますが、とりあえず今のところ提供できるもの文章だけになります。大幅に価値の差が出てきてしまいますが、まあ仕方ありません。

さてさて「音楽のない生活」どうなんでしょうかね。タバコをやめて以来ありとあらゆるものを捨てたり、辞めたりしてきました。それもたった一年で。でもまさか音楽を聞くことを辞めるとは、さすがにちょっと驚きですネ。これから自分がどんなものに興味を持ったり、もしくは何にも興味を持たなかったりするのか。楽しみです。